SHE LOOK

きみになりたい

かいとうあいこと握手してきた

このテキストは先々週に書いたもので流石に公開するのを躊躇してたものですが、今日は酔っ払ってしまったので、公開しておくことにします。

まず今日から愛ちゃんでもましてや皆藤愛子でもなく、俺の愛子と呼ぶ事を了承いただきたいと思う。や、そもそも愛子をブラウン管(今日びブラウン管と言う表現は古いのかもしれないが、読者には未だアナログブラウン管の方もいるだろうから配慮した表現である。)からでしか愛子とコミュニケートを取っていない君たちに許可を得る必要などそもそもないのだが、ね。
今日6月26日に俺と愛子は出会った。情強である俺はアメリカのミニブログサービスのツイッターによって、皆藤愛子2nd写真集「愛子便り」発売と銀座福家書店での握手会の知らせを文字通り風の便りで知った。トーキョーシティーのオフィス街で働いてる俺は、便りを知ったその日その足でギンザに向かい福家書店に身をこじ入れた。ここはいつも鬼門となる書店員にどう接するか問題が起こる。ただ、愛子の場合は難解なようで実は解は絞られている。例えばティーンエイジのアイドルだったら、例えば分かりやすく川島海荷だとすると、「川島さん」だとアイドルを呼ぶにしては重すぎるし、小娘相手に自分を卑下しすぎている。「川島海荷」だと礼に掛ける。「海荷ちゃん」は一見正解に思えてしまうが、これを中年のおっさんは口にしてはいけない。書店員はおののいてしまう。つまり正解がないのだ。というより、そもそも来ている人間が正解ではないのだ。完全に不正解で0点なのだ。
その点俺の愛子は26歳の淑女である。普通に「皆藤さん」が正解である。なので俺は「か、か、皆藤さんの写真集ってまだあったりしますか?」と聞いて\2,625を支払い整理券を手に入れた269番目だった。永遠の幼な妻に会える未来を手にしたのだ。
そして今日の朝。まず、2日でラブプラス+が嫁に見つかって修羅場と化した。その場を抑えるためにラブプラス+を売る事を約束した。「じゃあ何で買ったのよ!」と言われたが「おめーが売れ的な雰囲気出したからだろハゲ!」…とは言えず、カノッサ並の屈辱を正義なる沈黙で貫いた。これも愛子のためである。我慢した。踵を踏んで街に出た。駅まで走り、電車は走り、猫も走った。銀座に着いた。ちなみラブプラス+は売ってない。当たり前の話だ。
福家書店に到着すると早速店内に案内された。2階建ての2階フロアにて蛇のように列を作る。愛子は朝の顔であるし老若男女に愛されるキャラクタだからこその長期政権であり、完全にその比率とは言わないにしてもある程度客層がばらけるはずだった。蓋を開けたら完全に全員男。9割が30代以上、メガネ率も6割を超える。そこにはMESSI#10(ピザ)、80代の爺、ヴェテランと思われる2人組、あとはヴィジュアル系、K-DUB(このふた種類は完全にどこにでもいる)うすらハゲ、中背中肉、シャツイン、ブリジストンのスニーカー、極めつけとしてゴスロリ武装したおっさんがいた。これは絶望的すぎるだろう。お前らの一日を元気にするために愛子が毎朝欠かさず頑張ってると思うと悲しくてやりきれない。
蛇のような列も、鼓動と比例してあっという間に早く進む。福家書店の構造上、あと10人くらいになると握手現場と正面から直線という関係になる。つまりは眼前に愛子が現れて、あの朝に聞く肉声も直接鼓膜を震わせる。かわいいとか美人とかではなく、天使。天使がいたよ。いたYO!係員の流しがキツイというわけではないが、会話が一文節終わると「ハイありがとうございましたー!」「したー!」という発声がなされるので、流れざるを得ないシステム。みるみるうちに愛子との距離が近づいてくる。これは二人が糸を手繰り寄せあう。あとひとりでもっしゅと愛子が運命的に出会うところで、眼前に白いカーテンがさーっと引かれる。「!?」「ここで皆藤愛子さん休憩に入らせていただきまーす」
このままの勢いで愛子に会いたかった。半ば無策のまま入りたかった。そのほうが勢いでなんとかなるからだ。いや、正確に言うと勢いでなんとかなってなんてないんだが、時間がないという自分への言い訳あることによって、自己嫌悪が弱まるのだ。とにかく、ここで休憩が入った事実は変わらない。そして休憩明けは俺。時間はたっぷりすぎる程ある訳で、無策イコール怠慢、つまり愛子から見ても自分が手を抜かれてる、この毎朝5000万人の日本男児を癒している皆藤愛子に対して?まさか無策ァ"!?"とは思わないにしても(天使だから!)、ちょっとどうしたのかなー?体調でも悪いのかなー?あいこ心配しちゃうなー?と愛子に思わせてしまう確率は相当高い訳で、たとえ握手会というフォーマットの中では印象に残すという事が勝利だとしても、いち男としては女性に無用の心労を掛けさせることは是とできない事は当然であり、一億万クロックくらい脳を働かせたけども、あと数分後に愛子とお話しちゃう将来が確定事項となってる状態では無理な話な訳で、つまりは頭真っ白であった事は正直に独白したいと思う。
そして必要以上に閉ざされたカーテンが開かれて、そこには純潔の愛子が。あわわわわわわわわわわ泡姫。笑顔の愛子。冗談抜きで障害が無さすぎる。進まない訳には行かない永遠の5mを歩き愛子の元へ。
「KKK、Kんにちわ」と言って手を握った(気がする)。ここを読むようないわゆる普通のあなた達は、アイドルちゃんと握手してるつもりであったとしても結局のところ、直前を含む数百人の手のひらからにじみ出る皮脂をアイドルちゃんの手を介して自分の手に刷り込んで喜んでいるわけで、その喜ぶ気持ちを否定するまででは無いにしてもその行為を握手と呼ぶ事については甚だ疑問なわけで、まあ本人がそれでいいならいいんですが、とにかく俺は愛子に「嫁にナイショで今日はきちゃいました!」と話した。この妻帯者である事を告げる事はマッシヴすぎるという意見もあるかも知れないが、だからこそ得られるものもあるわけで、愛子の口からは実際にこう発せられた。じゃあこの写真集はどうするんですか?だいじょうぶですか?、と。何という優しさと頭の回転力。もっしゅの将来を心配すると同時に、自分が家庭をかき回してしまい得る存在である事の罪悪感も伝えつつの、でもわたしのを、わたしの便りを手放さないでね、という丸い釘さしの効果も兼ねる。そんな言葉を聞いた俺は「もしもばれたら、愛ちゃんのかわいさを節々と説いてやりますよ!」と心の中でだけ叫び、「だだだだだいじょうぶです」と愛子に伝えて、流れて、歩いて電車に乗って、帰路に着いた。
つまり、何というか、真っ白でした。